スワイショウというのは、瀉法(しゃほう)です。瀉(しゃ)というのは、「余分なモノを、外に出す」という意味です。つまり、身体の中の余分な力やエネルギーを、腕を振って外に出すと言うことです。
スワイショウによって、身体のムダな力を抜き、身体活動を活発にして、色々な毒素を排出する力を強めるというわけです。そして、瀉法を行ったあとは、補法を行います。それがタントウ功です。
中国の医学というのは、補瀉(ほしゃ)の理論によって成り立っていて、「足りないモノを補い(補)、過剰なモノを外に出す(寫)」の組み合わせで健康状態を作るというコンセプトなのです。
タントウとは、地面に垂直に打った杭(くい)のことです。
杭のように、地面にまっすぐ立ちます。
やり方は、いろいろあります。意拳という拳法には、20種類くらいのタントウがありますが、ここでは一般的なタントウ功を二つだけ紹介します。
★タントウ功(その1)のやり方 (馬歩タントウ功/3円式タントウ) (1) スワイショウ同様、楽な姿勢で立つ (2) 両手をお腹の前で、大きな円を抱えるようにして持ち上げる。 ※ お腹の前に、大きな見えないバランスボールを持っているイメージです。 (3) 頭のてっぺんが、空の上から少し引っぱられるようにイメージする。 (4) おしりを、イスに腰掛けるように腰を落とす。(軽くヒザを曲げるだけでよい) (5) 背筋を伸ばし、少し身体全体を前に傾ける。 (6) つま先 ~ ヒザの先端 ~ 目の位置 を一直線にする。 ※ ハンガーに掛けた着物のイメージで、身体のシワが伸びていくように、脱力する。
★タントウ功(その2)のやり方 (一指禅式タントウ功) 立ち方は、基本的にその1と同様です。 ただ、手の形が少し異なります。 手のひらを下に向け、両手の人差し指で前を指さします。 メロンくらいの大きさのボールを、左右の手で一個ずつ軽く掴み、人差し指だけ前に向けるという感じです。そうして指先の感覚に、意識を集めます。指先の血の流れ、皮膚の感じ、爪の裏側など、いろいろ感じてみます。
タントウ功を行う時間は、15分以上ということです。が、時間にはあまりこだわらなくても構いません。 15分というのは、一説によると「気が身体の中から出てくるまでに要する時間」と言うことですが、気功師になることを目指しているわけでもありませんから、気にしなくてもいいです。
バスとか電車を待っているときに1~2分、ヒザの力を抜いて、指先だけ前に向ける…という程度でも、効果はあると思います。
また腰は低い方が鍛錬にはなりますが、武術の鍛錬ではないので少しヒザを曲げるくらいで充分です。中国の太極拳家もテレビなどを見ながら何十分もやっているそうですから、あんまり細かいことは気にしなくても、とにかく立つことですね。
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■盛 鶴延/コスモスライブラリー